【完】君の笑顔
……いや、僕に聞かれてもね。
なんと説明したら良いのか……。
最初から話すか。
「あさみちゃん達が今日の事を計画したのは知ってるよね?」
「朝聞いた」
……それも朝だったんだ。
「一応、岡本さんのご両親にも話通しておかないとってあさみちゃんが話したらしいんだ。そしたら電話が掛かってきた」
「あたしのお母さんから?」
頷く。
「何て?」
「憎まれ口ばかり叩きますがお願いしますって。
で、ちょうど良いので温泉に行って来ます、何かあったら携帯の方に連絡をお願いします。
まぁ、高橋先生と一緒なら心は大丈夫でしょうけどーって」
すっごく楽しそうな声だった。
だから、岡本さんは来るしか無いってことになる。
「着替えもちゃんと持ってきてるじゃないですか」
はぁーと長いため息を吐いている岡本さんに少し意地悪で言ってみる。
「これは!あさみの家に泊まるつもりで持ってきたの!!」
本気で弁解する姿を見て笑ってしまう。
そこまで必死にならなくても。
「分かってますよ」