【完】君の笑顔
「こういう絵の大きいのが欲しかったから、あさみにお願いした」
「これを……今から?」
期待してる目で頷く岡本さん。
「今から初めても絶対完成するのに1週間以上かかるでしょ」
絶対に無理。
「少しずつ進めて行こうと思って。部分別に作っていくから。
さぁ始めようー」
これが約10の歳の差?
プラネタリウムを見て、映画見て、また目が疲れる作業を良く始められるよね。
「ここ!ここの部分を作るからね」
僕に箱の絵を見せながら、見本の絵の一角を指で描く。
「まず角を探さないといけないから……頑張ろ」
4つの角のうちでも一番難しい所を選んでない?
もっと色がハッキリ分かれてて作りやすい所にすれば良いのに……。
「何見てんの、高橋も手伝ってよ」
角を探している岡本さんを感心しながら見ていれば、気付いた岡本さんが言う。
手伝ってよ……なんて言いながらも頼んでる口調じゃない。