【完】君の笑顔
岡本さんって、こんな細かい作業も好きだったんだね。
「パズル好きなんだ」
「まぁ。暇潰しによくやってた」
そっか。
入院生活で動けない時にやってたんだ。
「あ、あった」
角見つけた。
箱からピースを一つ取り出してテーブルの上に置く。
「右上が角……これだね」
岡本さんはそれを右上の方へと滑らせる。
「じゃ、僕がまず月の部分を見つけていくから、岡本さんはそれを使って組み合わせて言って」
せっかくの岡本さんの誕生日だし、岡本さんの希望を叶えてあげようか。
「やる気出てきた?」
ふっと笑いながらピースを組み合わせていく岡本さん。
やる気と言うか……。
「この部分、絶対に完成させたくなってきた」