【完】君の笑顔
ステーキを食べたと言っても、岡本さんは普通の大きさではなくてその半分も食べていないけれど。
人参の甘辛煮も皿自体に盛りつけられていなかった。
僕は何も言って無かったのに。
自分で考えて、黙って食事を食べていた岡本さんに感心。
「先にお風呂。入ってきたらどうですか?それから食べよう」
岡本さんが文句を言う前に湯を張りにバスルームへと向かう。
少し時間を開けないと。
「後10分位かかるから」
持ってきた袋の中から着替えを用意している岡本さんを横目に見てからテーブルの前に座る。
「……あたしより、高橋の方がハマってんじゃん」
着替えを胸の前で持ったまま、覗き込むようにパズルを見てくる。
「少しでも進めたいからね。目標は岡本さんが言った範囲だけど」
始めたら目標まで完成させたい、って思うからね。
「ふーん」
少しでも手伝ってくれるのかと思えばただ僕がピースを探しているのを見ているだけ。
しばらくして、湯を張れた合図の音が鳴り、岡本さんはバスルームへと入っていった。