【完】君の笑顔
告白
ケーキを食べおわれば、またパズルの作業へ。
「良く飽きないでずっとやってられるよね。
食事とお風呂以外ずっとやってんじゃん。集中力すごいなって思って」
もう飽きたのか、隣でピースを弄び始めた岡本さん。
集中力……か。
「そりゃ、集中力無いと医者なんて出来ないよ」
医者にとって集中力はかなり大事だから。
「やっぱり集中力大事?
目、疲れない?」
「大事だよ。目、疲れないし。
手術の時に比べたら……」
“手術”と言う自分の口から出たフレーズが聞こえて口を閉じた。
また、何言ってるんだろう。
手術を思い出させるような事を言ってどうするんだ……。
そのままピースを探す作業を続ければ、岡本さんの方も何も言わずにピースで遊び続けた。
……だけど、視界の端で見えていた岡本さんの手の動きが止まる。
「……岡本さん?」
「……ん?」
「……眠たくなった?ベッド、使って寝ていいよ」
もう時間も時間だし。
久しぶりに動き回って体も、目も疲れただろうし。
「……高橋はどこで寝るの?」