【完】君の笑顔
僕の寝る場所の心配なんてしなくて良いのに。
「僕はここにでも布団ひいては寝ればいいし」
聖が愛用している布団がある。
「どうした?さっきから大人しいけど」
眠いなら早くベッドに入って……
寝るのを促そうとした時。
それまで反応が鈍かった岡本さんがいきなり正座をして僕を見る。
「岡本さん!?」
その素早い動きに驚いた。
眠かったんじゃ無かったの?
「高橋、ごめん……」
次に出てきた言葉。
言葉と同時に、岡本さんは深々と僕に向かって頭を下げた。
「どうしたの?」
いきなり。
どうすれば良いのか、岡本さんがこれから何を言いたいのかが分からなくて
黙って見つめる事しか出来ない。
「……あたしの手術をしてくれた時、酷い事言ってごめん……ごめんなさい……」
ピースを机の上に置いて、岡本さんの正面に向き直る。
どうしたの?いきなり。
「病院抜け出して、我が儘言った後に発作起こして……手術してくれたのに。あんな酷い事言ってごめんなさい……」