【完】君の笑顔
岡本さんの友人
「あーあ。怒っちゃった……」
ベッドに腰掛けている岡本さんのお友達……あさみちゃん?が呟いた。
え、怒った?
慌てて振り返っても、もう岡本さんはいない。
ジュースを買いに行くと言い部屋を出ていった岡本さん。
不機嫌だとは表情から分かっていたけれど
それは僕が病院に戻るように電話をしたからだと思っていた。
でも……怒ってる?
「……僕が帰ってくるように電話したからですよね?」
怒らせる原因と言ったら……それ位しか無い。
機嫌が良くなれば良いけど、このまま怒ってまた病院を飛び出されてしまったら困る。
「違いますよー!ってか、呼び戻されるのは当たり前じゃないですか」
「そうそう。そんな事で怒るって……」
笑いながら僕を見る2人。
じゃあどうして怒ってるの?
この2人は理由が分かってるみたいだけど……僕にはいまいち分からない。
首を傾げて立ち尽くす僕を見て、あさみちゃんの方が笑いを止めて口を開いた。
「こんなこと言ったら心に絶対怒られちゃうと思うんですけど……。心って、意外と独占欲強いんですよ」
「独占欲……?」