【完】君の笑顔
日頃動かしっぱなしの体だけは休めておこうとこうしてベッドに寝転がっているのはいいけれど……
「……聖は人ん家で何してるの?」
横目でTVを見つめる聖にそう問いかければ、ヘラーとした笑顔を向けられて。
「日頃忙しくて中々会えない秋君が寂しくて会いに来た」
「迷惑」
「言うねー。患者さんに対してもそんな態度取ってんのかよ」
「んな訳ないだろう?」
TVから聞こえてくる笑い声が煩くて眠れもしない。
久しぶりに休みでゆっくり寝ていた所を携帯の電子音で起されて。
久しぶりに休み取れたと言えば朝早くから家に転がり込んできて。
横で寝ている僕を気にせずにTVをガンガン見ながらお菓子食べてるし。
「秋も食べる?」
そう言って差し出されたチョコレートのお菓子。
「……いらない。糖分取りすぎ」
顔を背けて受け取らずに言うと
「病気になったら秋に診て貰うからいいもんねー」
また食べ始める。
絶対診ない。ってか専門が違うし。
そう思いながらも、ベットから起き上がって机の上に置かれている食べ終わったお菓子の袋を手に取った。