【完】君の笑顔
いつもと違う、刺々しい言い方じゃなくて、女の子っぽい言い方で。
見つめてくる顔もにっこり笑ってて。
ビックリする。
顔は元々可愛いと思っていたけど
どう考えてもさっきの言葉は岡本さんの口から出たものだとは考えにくい。
「いきなり何言いだす……」
余りの驚きで上手く言葉が出てこない。
「高橋が嫉妬した?
って聞いてきたんじゃん」
楽しそうにさらっと答える岡本さん。
「岡本さん、なんかキャラ違くないですか?」
有り得ない。
絶対に僕の反応を見て面白がってるんだ。
「……そ?たまには素直になろっかなーって」
……珍しい。
何かおかしい。
不信感を募らせる僕を気にする事なく、岡本さんは僕に背を向けると中庭へ続く出入口へ向かう。