【完】君の笑顔
これだけの熱があるのに全く自覚が無かったのが怖い。
「一応風邪かもしれないし、内科で見てもらう?
今なら診察時間の一番最後に入れてもらえると思うし……」
時計を見ればギリギリ診てもらえるかと言う瀬戸際の時間帯。
まだ今から内科に連絡を入れたら大丈夫だと思う。
「いい。
熱いだけだし、寝てれば治る」
言うと思った。
僕に無理矢理連れていかれるとでも思ったのか
岡本さんは布団を肩までかけてもう動かないと態度で表す。
「一応だから、ね?
薬もらった方が早く熱も下がるだろうし……」
念のために診てもらっておいた方が良いと思うけれど……
細菌が体に入っていたら大変だし……。
「いい!風邪じゃないから。
心配し過ぎ」
風邪を引いた事を認めず、熱いのか額に腕を乗っける。
なんでこう……何でも我慢しなくて良い所で我慢をするのだろう。
なるべく早く楽になれるように考えて言っているのに。
辛い苦しい想いをする方を選ぶ岡本さん。