【完】君の笑顔
「すみません」
一応謝りはしたものの、なかなか笑いは止まらない。
大人しい岡本さんも、たまには良い。
ただ、気になるのは……
「……でも、熱が出るくらい何を考えてたの?」
何を考えていて知恵熱を出してしまったのか。
勉強をしていたようにも見えないし……。
どうしたの?
「何でも良いでしょ」
理由は僕に言いたくないらしく、素っ気なく言うと岡本さんは目を閉じた。
……気になる。
「ってか、笑うんじゃなくてちょっとは優しくしなさいよね。
冷たいアイス買ってくるとかさー?」
しばらくの間の後、岡本さんは口を開いた。
……今でも十分優しく接しているつもりですけど。
「……じゃあ、氷枕持って来ますね」
これ以上喋らせてもキツい思いをさせるだけ。
僕は氷枕を取りに行くため、部屋を出た。