【完】君の笑顔
関係者出入口の方から外に出る。
ドアが開いた瞬間、冷気がすごいスピードで体を包み込んできた。
……寒い。
上着を着てくれば良かった……。
院内が暖かい為、つい何も考えずに白衣一枚で出てきてしまった。
そのまま早足でコンビニを目指す。
病院の反対側の通りを少し行った所にあるコンビニ。
足を踏み入れると、「いらっしゃいませ」と明るく言う店員がいるレジの前を通って
真っ先にアイス売り場へと向かう。
夏場に食べていたアイスは年中売ってあるらしい。
何も味の付いていない物と、僅かに桃の味が付いてある物とがあった。
……できれば氷の方が良いけれど。
それだと絶対に岡本さんに文句を言われるだろうなぁ。
今日だけ、特別に。
手に取ってレジへと置く。
「ありがとうございましたー」
店員の言葉を背中で受けとめながら、再び寒い中を早足で病院へと戻った。