【完】君の笑顔
僕の言葉に耳を傾けていた岡本さんは、それでも甘いアイスが食べたかったらしく
「やっぱり甘ーいアイスが良かったなぁ」
唇を尖らせながら不満を口にする。
「嫌なら食べなくても良いですよ?」
そんなに甘いアイスが良かったなら。
僕が岡本さんの事を考えて買ってきたアイスが不満なら。
僕は言いながら岡本さんの持っているアイスのカップ取り上げようと手を伸ばす。
すぐさま反応して、容器を渡さないように僕から遠ざけようとする岡本さん。
……だけどその反応も少し遅くて、岡本さんの手の上から容器掴んだ。
ピク…と反応する岡本さんの手。
……?
驚いたように固まって僕と岡本さんが掴んでいる容器を見ていたかと思うと
勢い良く僕の方に顔を向けた。