【完】君の笑顔





「冷た!」



突発的に叫んだ岡本さんは、いきなりガバッと起き上がって僕の前に座り込む。




「何してるんですか!?
寝てないと……」



何を考えてるんだろう。




いくら冷たかったからと言って飛び起きなくても良いのに。




急な行動は心臓にも悪いし、そもそも熱だって全然下がってない。



僕は寝かそうと肩に手を起き軽く押す。


しかし岡本さんは、僕の力に刃向かって起き上がったまま僕が持っているアイスを取り返そうとする。




……起き上がってまで食べたかったの?


恐るべし、食い意地。


少し呆れながらも持っている力を抜くと、簡単にアイスの容器は岡本さんの元へ。





さ、横になってゆっくり食べれば……




寝かせようとしたら、岡本さんは食べようとせずに容器を横の棚の上に置いた。




……食べないの?


食べたかったんじゃないの?





声に出さない疑問を心に浮かべて岡本さんを見る。



すると岡本さんは、



「冷たい。
外、そんなに寒かったの?」



と、予想してなかった事を口にした。








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