【完】君の笑顔





「もう良いですか?」



一応聞いて岡本さんが黙って頷いたのを確認してから、ベッドの傍の椅子に座る。




「今日……コレ買いに行くために抜け出して?」



ページを捲っていくと、同じようで違う星空、オーロラなどの写真が出てくる。



これを買うためだけに外出を?


体力もまだ回復してないだろうに。



一度本から視線を上げて岡本さんに聞く。




「……まぁ。あさみと会うつもりで待ち合わせまで暇つぶしに本見てたらこれがあったんだよね」



お友達と会うのが目的だったのか……。



「こういうの、好きなんだ」


「何、文句あるの?」


「そんなつもりじゃ無いですよ。でも良いですね」



すぐ不機嫌そうな声を出す岡本さん。



でも、身を乗り出すようにページを覗き込んできた。



こういう、ただ自然の景色を撮った写真って良いと思う。



「でしょ?星の名前とか星座とかはいまいち分かんないけど。写真見てるだけで凄いなーって思うし」


「良く外の景色眺めてるもんね」


初めて見かけた時から、良く窓の外の景色を眺めていたから好きなのかなって思ってたけど。



「そうそう!雲の動きとかも好きで」



やっぱり好きなんだ。








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