Without Saying Good-Bye【完】
結局あたしは、先輩を忘れることができない。
ズルズルと未練がましい想いを引きずっているままだ。
「美稀ちゃん?調子悪いの?」
不意にあたしの顔を覗き込んできた子に驚いて、微かに肩が揺れた。
「ああ…うん、少し…。保健室行ってくる」
「分かったー。また後でね!」
この場から逃げるには取って置きの方法。
だって、一人にならなきゃ感情が上手く制御できなくなる。