君にキス
男達がヨロヨロと歩いて逃げ去るのを見届けてから近くのベンチに腰を下ろした。


無駄な体力…無駄な時間を費やしたな

逃げ出したこいつのせいだな


腕の中で丸くなり眠ってしまったクルミ。

真っ白な体を撫でててやると…懐かしい思いが蘇る。


元々クルミは捨て猫で橋のしたに置かれていた。

箱の中にはコイツの兄弟ネコもいたが…息をしていたのはコイツだけだった。

元々ネコ好きな俺は迷いもなく連れ帰り育て始めた。


組でも猫好きが多いため…過保護ぎみに育てられている。
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