君にキス
振り向いた彼の腕の中で真っ白な猫が鳴いた。

まるで…彼のかわりに返事をしてくれたみたいに。


「クスッ…お礼とか気にしませんけど…折角ですから…」

『こ、交番に来てもらえれば…裁縫道具あるからっ!』


あたしはその時、なぜ公園に来ていたのかすっかり忘れてしまっていた。

あたしは手招きして先に歩き出して交番へと向かった。

交番から公園までは歩いて3分位の距離。

歩き出して彼との距離が離れたからきちんと確認できなかったけれど…

彼の表情は少し曇っているように見えた。

まるで…交番には行きたくない…みたいな表情
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