光の姫は何を見る


「ですから、調子に乗るなって言ったのに」


暗闇の中から光の声よりか少し高い声が響いた。


「まぁ、私がいなくなったからヒカリは冷静さをなくしたのでしょうが」


ふぅとヒカリではない別の者が溜め息混じりにヒカリの体を使って呟いた。


「さてと。いつまでもこんなとこに居てもしょうがありませんからそろそろ出ましょうか」


そう言ったと思ったら暗闇の空間だったのが急に光がさした。


ヒカリの体が右手を上にかざしたからだ。


「あと少しかしら。そろそろヒカリにも目を覚ましてもらわないと私が千影に会うと面倒なことになりますからね」



『ヒカリ。そろそろ起きなさい!』


気を失っているのかヒカリからは返事がない。


『もう。しょうがないですね』


ヒカリではない何者は自分自身(ヒカリの身体)の頭に拳骨を落とした。


「いったーい」


ヒカリは頭を擦りながらもそう叫んだ。


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