光の姫は何を見る


「って、ここどこ?」

あたしはまだ痛む頭を擦りながらキョロキョロと辺りを見回した。


確か闇の王が怒ってあたしに変なもやをぶつけて、そしたら暗闇に包まれたはず。


なのに今あたしがいるのは狭いのだけど暗闇ではなくどこからか光をさしていた。


『気が付きましたか? 貴女は無茶しすぎです。
腹がたったのはわかりますが、相手を挑発してどうするんですか。
今回はまだこれくらいで済みましたが、今度は殺されかねませんからね』


ポゥッて光が輝きそこから光の姫が現れてあたしに説教をする。


確かに光の姫の言う通りだけどさ。なんか倒せそうな雰囲気が出てたからつい。


『いやいや。貴女が倒せるほど千影は弱くありませんから』


光の姫は右手をブンブン振りながら否定した。


そんな全力で否定しなくてもいいじゃんか。
というか…


「千影って誰?」


光の姫から出た名前が疑問に思ってついつい尋ねてしまった。





< 104 / 135 >

この作品をシェア

pagetop