光の姫は何を見る
『やはり貴方も私と同じでしたか』
闇の王の後ろで光の姫が腕組みをして立っていた。
後ろに立たれた闇の王は驚きの顔を見せる。
『なぜお主がここにおるのだ?』
なんて間抜けな声を出した。
『貴方の時代は終わったのです。いや…終わらせた。
私の生まれ変わりであるヒカリの手によってね。
だから貴方も早くその者に憑くのは辞めなさい』
『くっ…確かに我は精神のみの存在だ。お主に封印されてな。
そして何十年かたって我はこいつに吸い込まれるように憑いた』
闇の王の足下で黒髪の少年を忌々しい物を見るように見た。
『その反応を見るとこの少年は優しいのですね。何度も拒まれたってこと』
光の姫は嬉しそうに話す。そして思った。この者たちに託せば人間と能力者が手と手を繋いでいける日がくることを。
『我は何を間違えたのだろうか。あの小娘のせいで憎悪もなくしてしまった。
あの小娘は我のために泣いてくれるとは思わなかった』
闇の王はポツリポツリと話す。それはヒカリのお陰だ。
『もうここに未練などないでしょう。上であの娘達を見ていましょう
それになにか伝えたいことがあれば私達の力だと夢で伝えることが出来るでしょう』
そういうと光の姫は闇の王を無理矢理上へと引っ張った。
その瞬間。黒髪の少年から忌々しい気は消えた。