光の姫は何を見る
「そういえば! 光の姫から頼まれたことがあるんでした」


あたしは思い出したように声を上げながらユキ君をあたしから離した。ユキ君からチッて舌打ちが聞こえた気がしたけど無視した。


「光の姫はなんて言ってたのですか?」


赤井さんが興味深く聞いてきた。


「はい。闇の王は倒してもまた次の人が憎悪によって悪い道に進む人がいる。それを貴女が断ち切って下さいって言われました」


「なるほど。ここの学校はそうならないようにするために作られましたがここに居たとしても憎悪は生まれてしまう。それを貴女が…いぇ。貴女達が守って下さい」


赤井さんはあたしを含めカイジ君、ミズノ君、ライト君、フウタ君を見て言った。


「「「「「はい。」」」」」


あたし達は赤井さんの気持ちをくみ取って声を合わせて返事した。


「それと、黒羽君は闇の力を使うそうですね。なので貴方はここの学園に入学してもらいますがよろしいですか?」


赤井さんはユキ君の方を見ながらユキ君に尋ねる。


「大丈夫ですよ。だってヒカちゃんと一緒に居られるんでしょ?
それなら嬉しいことだもん」


ユキ君はニッコリと微笑みながらそう言った。


「それなら今から手続きしないといけないですね
今からしてきますからここで失礼します」

赤井さんはニッコリと優しい笑顔を浮かべながらあたしの部屋から出て行った。





赤井さんが出て行った後にカイジ君はユキ君を睨みつけた。


「お前はヒカリのなんなんだ?」


不機嫌そうに尋ねた。


「申し遅れました。僕の名前は黒羽 雪夜(クロバネ ユキヤ)って言います。
ヒカちゃんは僕の婚約者です」


「「「「「えぇぇ!?」」」」」



ユキ君の言葉に驚くあたしを含めて五人の叫び声があたしの部屋でこだました。





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