光の姫は何を見る
あたしの瞳に動揺の色が見えたのか辺りは静かになっていた。


そんな沈黙の中、怒鳴り声が響く。


「ヒカリは今日からここに転校してきたんだからいきなり任務ってのはないじゃねぇのか！？」


そう怒鳴り散らしたのは赤井君だった。


赤井君…


言葉や態度は乱暴なのにこういう時は１番にあたしのことに気付いて助けてくれる。
それが何より嬉しかった。



だが、赤井君の言葉は無駄になる。

「彼女の心配をするのはいいことです。
ですが、彼女もあなた達と同じ班です。班にきた任務を彼女も一緒にやってもらわないと班体制にしてる意味がなくなります」


茶々木さんの冷たい言葉にズキリと胸が痛くなる。

だけど茶々木さんの言葉は一理ある。


だったらあたしは…


「赤井君。やめて！」


今にも茶々木さんに取っ組みそうにしている赤井君に叫ぶ。


「ヒカリ！ だけど俺は…」


赤井君は何か言いたそうに口を閉じる。


赤井君、ごめんね。あたしがまだ弱い為に…


「あたしは任務に出ます！ そうしないといつまでも能力は使いこなせませんから」


あたしはそう豪語していた。


そんなあたしに肩をポンッて叩いてくれた人がいた。


バッと後ろを振り向く。



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