光の姫は何を見る
少しの間、部屋には沈黙が広がる。


そんな中あたしは声をあげた。


「あたし。碧山君に謝らなくっちゃ！」


そう思い立ったらいてもたってもいられなくなって行動に移す。


あたしが扉を開ける直前。


「ヒカリ。待て！」


赤井君の声がしてピタリと動きを止めた。


こんな時になに？


ゆっくりと振り向くと切羽詰まったような顔をする赤井君がいた。


「お前が今行ったってさっきと同じことが起きるだけだ。だったら先にフウタの事を理解した後に行け！」


碧山君を理解する？ 確かにあたしは碧山君を知らない。
現になぜ彼があそこまで怒っていたのかはわかってない。

わかっているのはあたしが甘ったれってことだけ。


「ねぇ。碧山君に何があったの？」


あたしは自然とそんなことを聞いていた。



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