光の姫は何を見る
向かおうと足を動かそうとしたら小さな声が聞こえた。


『ごめんなさい。きずをつけてごめんなさい…』


小さな声は怯えたようだった。


俺は後ろを振り向くとそいつはさっきよりも小さくなっていた。


『おこってないよ』


俺はじいちゃんの所へと行こうとしていた足は反対方向へと向いてそいつの所へと自然と向かっていた。


そいつの所へ行くと俺はそいつと同じようにその場にしゃがみこんで目線を同じ高さにした。


そしてそいつの頭に手を伸ばす。


伸ばした瞬間に気配でわかったのかそいつは体をビクッと震わせた。


『ぼっぼくにさわらないで』


顔をあげて大きな声で叫んだと思えばそいつは顔を下げた。


行く場をなくした手はゆっくりと下げられていた。


こういう時にどうすればいいのかって子供だからわからなくて俺はなぜか自己紹介をしていた。


『ぼくはカイジ。きみは?』


『フウ…タ』


そいつはポツリと呟くと顔をあげた。


『カイジくんはぼくがこわくないの?』


顔をあげたそいつはまた怯えながらも俺に問いてきた。



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