光の姫は何を見る
『こわいわけないじゃん。フウタくんはなんでこわいとおもうの?』


俺は何人もの能力者に会って能力を見てきた。
傷をつけられたからって怖いって感覚はなかった。それに俺自身も能力を使うしな。

まぁ、触れただけで能力が使えるなんて思ってもなかったから驚いたけどな。


『だって、ヒック…いつもおかさんは…ウッ、ぼくをおそろしいものをみるようなかおでみるから。
それに、ヒック…ぼくにふれただけでひとをきずつける。そんなひとが、ヒッ…こわいわけない』


フウタはしゃくりあげながらそう呟く。


『そうか?』


俺はそう言いながらも右手を空にかざす。


するとそこから火の玉が現れた。


それを見たフウタは驚きの声をあげた。


『ぼくだってフウタくんと同じような感じだから』


俺はニッコリと笑いながらフウタの肩を叩いた。




その時、プシュって音を立てながら血が流れたのは言うこともないだろう。




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