光の姫は何を見る
えーっと稽古場は学校を出て運動場に来てそれの奥だったはず。
それのさらに奥ってことだから外れにあるってことだよね。
早くしないと。
あたしはいつも以上に早く走る。
早く碧山君に謝りたいって思ったから。
それにしても夜だから周りが暗い。
「あっ! そだ。能力使えばいいんだ。それに少しは能力を使う練習になるかも」
誰に聞かせる訳もなくて一人呟く。
そして走りながらも手の平に集中する。
「光をイメージ。光をイメージ…」
ぶつぶつと呟きながら集中してるとポゥと手が暖かくなってきた。それと同時に手の平が光輝く。
その光はどんどん丸くなってきて光の玉となっていた。
「で、出来た!」
嬉しさのあまり声を出してしまう。
フッと前を向くとそこには丸くうずくまる碧山君がいた。