光の姫は何を見る
チュンチュン。


鳥の鳴き声がしてあたしは目を覚ました。


「うぅーん」


手を思いっきり伸ばしながら欠伸をする。


「ん？」


なんか足元が重い気がする。


そう思いながらも足元を見るとそこには気持ち良さそうに寝息を立てているフウタ君がいた。


「なっなんでフウタ君がここにいるのよ！」


大きな声で叫びながら後ずさる。


「どうかしたんですか？」


何事もなかったような顔でフウタ君は起き上がる。


「なっなんでフウタ君はここにいるの？」


さっき叫んだ言葉をまた繰り返す。


「そんな叫ばないで下さいよ。うん。傷は残ってないですね」


フウタ君は素早くあたしに近付くと腕を見て呟く。


そんなフウタ君を唖然として見てしまう。


だってあたしだけギャーギャー叫んでるって馬鹿らしくない？


なんて冷静に考えていたらふと気付く。


「傷ってあたしケガしたっけ？」


あたしの言葉にフウタ君は深いため息をつく。


ちょっとそこまで深くため息つくなんて酷くない？




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