光の姫は何を見る
｢俺は大丈夫だから今はあいつだけに集中しやがれ｣


結構深く喰らったのかケホッと咳をしながらお腹を押さえながらも立ち上がった。


｢カイジ…本当に大丈夫なのか？｣


ミズノ君が神妙な顔でカイジ君に尋ねる。ミズノ君の質問にカイジ君は小さく『あぁ』と呟く。


カイジ君の様子から相当辛そうだ。



「あーはっは。美しい友情だね
そんな関係見てると虫酸が走る！」


闇の王が笑っていたと思ったらドス黒い声をだす。


そしてあたし達に向かって右手をかざす。


「危ない！」


直感で危ないと思ったあたしは皆の前に立って守るように両手を広げた。


闇の王の右手からは黒いモヤモヤが出ていてあたしの方へと向かってくる。


「女。我の力を防げるとでも思ってるのか？」


闇の王はククッと笑いながらあたしを見つめた。


闇の王に見られてゾクっと体が震える。冷や汗が出てきて足もガタガタと震えた。


「おい！ ヒカリ。そこをどけ」


後ろからカイジ君の怒鳴り声が聞こえた。


カイジ君。ごめん。
怖い。怖いけどここで皆に守ってもらうなんてあたしはなんのためにここにいるのかわからないから。


もう目の前には黒いモヤがあった。あたしは目を閉じて攻撃を受けるのを待った。



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