SAYONARA
 弟みたいなものだから、幸せになってほしい。だが、好きという気持ちが溢れていた。

 その好きの延長戦上には、あいつが好きな人といてくれるよりは自分が一緒にいたいと思ってしまう。

 浅ましい想いと、自身の罪深さをひしひしと感じる。

「何でもないよ」

 堅いものが頭に触れる。それはあたしのノートだ。

「何か悩みがあったらいつでも聞くからさ、相談してよ」

「夜中でも良いの?」

「いいよ」
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