SAYONARA
 通りかかった小道を見たとき、心臓がどくりと鳴った。

 あたしは思わず功の腕をつかんだ。

「パン買いたいからついてきて」

「弁当じゃないんだ。珍しい」

 彼の言葉を無視するような形で近くのコンビニに功を連れ込む。

 コンビニには同じ高校の人がレジの前に列を作っていた。

 あたしはパン売り場まで来ると、功の腕を離す。

 功はパン売り場に並んでいるパンを見つめていた。

 パンを買う気もなかったあたしは適当な菓子パンを見繕い、レジまで行く。
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