SAYONARA
 功はその後をひょいとついてきた。

 あたしの番がやってきてパンを購入する。そして、お店の外に出て美枝の姿がなかったことにほっとする。

 あたしはさっき美枝を見つけたのだ。それも頬を赤らめ、照れたような表情を浮かべていた。彼女が一人ならいい。功は彼女に気付き、彼女の傍に行くだろう。でも、彼女の傍には彼が立っていたのだ。

 彼にとっては幼馴染でも、美枝にとって彼はどんな存在なのかが分からなかった。
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