SAYONARA
 そのとき、ゆったりとしたメールの音が響いていた。

 送ってきたのは母親で、そこに記されていたのは買い出しの指令のメール。

 学校帰りに通る大型のスーパーで夕方からケチャップの売出しがあるらしく、ついでに買って帰るようにとのことだった。

 高校に行く間にいつしかそんな買出しにも慣れつつあった。

 淡い空色を背景に、辺りの閑静な町並みに似合わない煌びやかな看板を掲げているお店の中に入る。お店の中にはその看板にお似合いともいえる音楽が流れていた。
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