SAYONARA
「どうしたの? 今日、部活は?」

 そう聞いたのは、功がいつもの制服ではなく、私服だったからだ。

「グラウンドの整備で今日は休み」

「そうなんだ」

「俺も忘れてたんだけどね。帰りがけに同じ部活のやつから聞いた」

 あたしの目の前に紙袋が突き出される。

「これ、やるよ」

 彼は袋を押し付けるように渡し、手ぶらになる。
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