王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

立場は逆転した。


「話を戻しましょう。僕を氷眼の民の代表としてドラゴン討伐の任につけて頂きたい。そちらにデメリットはないはずです。出来れば今この場で回答を頂きたいのですが」


「ドラゴン討伐の件は各大臣と念密に進めていたこの国の最重要課題だ。いくら私とはいえそう簡単に貴公を討伐隊に任命することは出来ぬ」


「大臣殿の意見がなくては、自分一人じゃなにも出来ませんってか。まるでガキだな。別に僕は討伐隊の出発までに回答を貰えればいいんですが、果たして陛下の大事な駒はそれまで持ちますかね?」


兵に目をやる。


仮死状態とはいえ、そう長く持つわけがない。


せいぜい十分二十分が限界。


レインは左手に持っていた荷物を手放すと、氷晶の間を縫って国王に近づいた。


一歩一歩、二人の距離が縮む。


「簡単なことです。陛下はただ「イエス」と口にすればいい」


国王の眼前に立つ。
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