王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
素敵男子
レインを背負いながら森を抜けると、そこにはベリル達がいた。
二人を見つけたマルタは、勢いよく駆け出し二人に近づく。
そして、ラリアットを決めた。
もちろんレインは技が決まる前に退避。
直撃したユリエスは地面に突っ伏した。
「な、なんで……?」
「どこほっつき歩いてたのよ馬鹿! 心配したじゃないの!」
理不尽極まりないが、マルタなりに二人を心配していたようだ。
マルタの攻撃を直前にかわしたレインは、自力で立てるくらいまでには体力を回復させていた。
それでもまだ足元はふら付くらしく、歩き出そうとしたら躓きかけた。
間一髪でユリエスが支え転ぶことはなかったが、その光景をエナは不思議そうに眺めていた。
「なんかあの二人、仲良くなってません?」