王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
するとこんなやり取りが聞こえてきた。
(だからありがとうって言ってんの! 一応私はユリの保護者だから、そこはキチンとしてかなきゃって)
(ちょっと待て! いつから俺の保護者になったんだよ!)
(黙れ。馬鹿が移る)
((なにをー!?))
……呆れた。
「ホント素直じゃないんだから」
口の両端を僅かに上げて、エナは耳にかけた魔法を解いた。
レインの体力が完全に回復するまで、旅は一時中断ということが決まった。
近くの村にある宿屋に三日ほど泊まろうということになり、宿屋の主に討伐隊のメンバーだということを告げると快く部屋を無償で貸してくれた。