王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
とはいえ、自分にはこれを使えこなす自身もなければ力量もない。
せめて自分の身は自分で守りたい。
そう強く思うのだが、これは特殊な物。付け焼刃で扱えるほど簡単な物ではない。
「あいつはすぐに使えたけど」
レインは例外。
また一つ溜息をつくと、掲げた腕をベッドに落とした。
そしてマスターキーを手に入れた時のことを思い浮かべた。
「ドラゴンか……」
「ユリ。入るよ」
突如開かれた扉。
ノックもせず部屋に入ってきたのはエナだった。