王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
部屋の照明に背中の羽が反射して、キラキラと輝いている。
素直に綺麗だと思うユリエスだが、すかさず眉間に皺を寄せた。
「ノックぐらいしてから入れよな。何の用だよ」
心底嫌そうな顔をする。
が、エナは意に介さずベッドに横になるユリエスに近づいた。
「ユリ、服脱いで」
「は?」
「上着、脱いで」
ユリエスの中で何かが弾けた。
「お、おま! いくら俺が素敵男子だからって、大胆にもほどがあるぞ!」
頭の中はピンクの妄想ではち切れんばかりに膨らみ続ける。
エナにそういった感情を持っていなくとも、年頃のユリエスは想像してしまうのだ。