王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
アレグリア平原
アレグリア平原。
自然豊かなこの土地には、魔物は存在しない平和な土地として遊牧民が多く暮らしている。
有名な観光スポットでもあるこの地に住み着いているというドラゴン。
土地は荒れさぞかし悲惨な状態になっているだろうと思っていた六人だが、想像していたものより遥かに超えていた。
豪雪。
緑の土地は白く染まり、生き物の息吹は感じ取れない。
数メートル先も見えぬ白い世界。
セシエルは盛大にクシャミをし、鼻をすすった。
防寒着など持ってきているはずがなく、刺すような冷気が身体に響く。
だというのに、セシエル以外の五人はどこ吹く風といわんばかりに平然としていた。
「な、なんで平気な顔して立ってられんだよ……」
理由は簡単。セシエル以外は皆魔法を使えるからだ。