王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
ベリルは魔石を使った炎の魔法を応用し、身体を覆うように熱気を纏う。
マルタは昨夜蓄積した魔力で月光術を発動させ自分の周りの温度を調節。
エナは聖霊術で薄い防御壁を作り出し寒さを防ぐ。
ユリエスは空間系の魔石鍵を使い、別次元に用意しておいた防寒着を取り出し着用。
レインは氷結魔法を扱い、体温調整をしていた。
というわけで、一人残されたセシエルなのだった。
仕方なくベリルがセシエルに同じ魔法を使った。
寒さ対策が済んだ所で今の状況を確認する。
「この吹雪。やはりドラゴンが関係しているのだろうか?」
一年中温暖な気候であるアレグリア平原。
このような異常気象は、ドラゴンが関係しているとしか思えない。
ベリルは神経を研ぎ澄まし気の流れを読み取ろうとするが、雑音が混じり上手く読み取ることが出来ない。