王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
ねっとりとした口調に喉を鳴らす。
国王はレインから逃げるように後ずさりすると、背を向けて窓の外を眺めるふりをした。
その背中から、王の威厳は感じられない。
頭の中で必死に言葉を探り出し、ゆっくりと声にだす。
「……三日後王宮広場にて招集をかけた者達にドラゴン討伐の任務を正式に言い渡す。貴公も参加するがいい」
王の回答は、イエス。
「やれば出来るじゃないですか」
レインは踵を返して王の間を後にする。
氷晶を通り過ぎると、氷の檻は跡形もなく消え、閉じ込められて兵士達が次々に床に倒れた。
皆喉を押さえて咳き込んでいる。命に別状はないようだ。
国王はレインにバレぬよう小さく安堵の溜息を洩らした。冷や汗もやっと止まった。
撫でられた頬にそっと手を当てる。