王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
五つの一族
氷眼の民の大長老は、自室の書斎で歴史書を開いていた。
王族と氷眼の民しか知り得ぬ真の歴史書。
古紙独特の紙臭さに顔をしかめながら、所々禿げた表紙を慎重に捲った―――
ファンタジア王国には大小80を超す民族が暮らしており、神に等しい力を持った王族がそれらをまとめあげ建国した。
ということになっているが、事実とは多少ズレが生じている。
剛剣の民(現森の民)
刻読みの民。
龍脈の民。
合獣の民。
奇術の民。
そして王族と呼ばれる精魂の民。