王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
旅立ち
王都に到着してから三日が経った。
王宮。謁見の間。
豪華な椅子に腰かけるのは王国ファンタジア国王。
今宵、ドラゴン討伐の任が正式に言い渡される。
謁見の間に集まった戦士達は皆若いが、かなりの手誰だということはその風貌から容易に想像できる。
その中でもレインはかなりの異質を放っていた。
他の民の者も、レインへとチラチラ目を配る。
だが当の本人は意に介した様子はなく、王の御前というのに他の戦士達を興味深く観察していた。
特に気になったのが、隣に立つ人物。
長身で茶色い髪。そして特徴的な左右異なる瞳の色。
右目から微かに発せられる魔力から、レインはこの人物が宝玉の民であると判断した。
これがあの核石か……。