王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

殺意≒邪気。


邪気を感じるエナにとって、幻術フィールドは邪気そのもの。


本来ならばベリルのようにそれらが邪魔をし、辺りの邪気を感じて特定の人物や生物を探知することはできないのだが。


相手はドラゴン。


元来ドラゴンは神聖な生き物として崇められていた。


つまりドラゴンには邪気といった負の概念は存在しない。


負の概念の中に聖の概念が存在すれば、異色を放つのは当然だ。


「見えない敵だからこそ見える。今の私には幻龍の居場所はキチンと視えてるわ」


ここから北に約1km先。


濃霧のせいで姿を確認することは不可能だが、エナが言うのなら間違いない。


幻龍の居場所は掴んだ。


後はどうやって奇襲をしかけるか。
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