王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

獣の鋭い爪がユリエスの頭上に振り下ろされる瞬間、獣の動きを封じる四本の氷筍が現れた。


氷の柱は獣の身体をガッチリと押え、ユリエスへの攻撃を中断させた。


その場に崩れるユリエス。だが獣のパワーでは尋常ではなかった。


氷筍にはヒビが入り、すでに一本は中央部から折れている。


「絶対零度・八方氷筍」


レインが新たな術を発動させる。


先に発動した氷筍は獣によって完全に破壊されたが、それとほぼ同時に新たに八本の氷筍が作られた。


絶対零度の八本の氷筍。


身動き一つできず、獣の皮膚は徐々に凍り始める。


すると今度は、獣の周りに幾つもの氷の刃が生成された。


「氷刀乱舞」


レインの声を合図に、氷の刃が獣の身体を貫いた。
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