王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「真の歴史をご存知かな?
建国に携わった五つの部族。
剛剣の民・刻読みの民・龍脈の民・合獣の民・奇術の民。
今や極一部の者しか知らぬことですが、この五つの民と王族がこのファンタジ王国を作り上げた。
五つの部族は国の中枢である王都に住むことを唯一許され、絶対的な権力を持った。
当時の王府は国王を頂点に置き、五つの部族の長老五人による議員制をとっていたようです。
それが気にいらなったのが、後から国王専属の護衛魔術師となった氷眼の民。
彼等は自分の一族の権力をさらに有益なものにするため、我々の滅亡を図った。そうですよねレイン君。
氷眼の民は手始めに差別制度の廃止を国王に吹き込んだ。
元々ファンタジア王国は大小80を超す民族が集まった国。
それぞれが異なる宗教や価値観を持っていたため、建国後も各地で争いが絶えなかった。
そこで彼らが持ちかけたのが差別制度の廃止というオブラートで包んだ『民族統一』