王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「それではこれよりチーム分けを発表する。まずは―――」
レインは拗ねていた。
王府から支給された馬に乗り、深い森の中へ入っていく。
背中から聞こえる笑い声に苛立ち、聞こえないように小さく舌打ちした。
レインのチームには、流浪の民と月灯の民がついた。
気の流れを読むと言われる流浪の民の代表・ベリルとセシエル。
月の光を力に変える月灯の民の代表・マルタ。そしてお供のエナとユリエス。
さすが少数精鋭。数ある一族の中でも、特殊な力を持った民を揃えてきたのは国王もなかなかお目が高い。
けれどレインの表情はすぐれない。
てっきり一人でドラゴンを討伐するものだと考えていたレインにとって、チームを組むのは予想外。