王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
戦争は双方に多大な被害をもたらしたが、ファンタジア王国が勝利。
その代償として、建国の立役者である五つの一族は事実上消滅した……。
さて、前置きが長くなってしまいましたね。
私はその消滅し、歴史からも抹殺された五つの民の一つ、合獣の民の生き残り。
いや、違いますね。合獣の民の血を引く者と言った方が正しいかもしれません。
氷眼の民の策略により滅亡した合獣の民ですが、生き残った者達で細々とコミュニティを形成していました。
氷眼の民と、氷眼の民の腰ぎんちゃくになり下がった王族に恨みを持ちながら。
いつしか復讐を、舐めさせられた苦汁を奴らにも味わえさせると夢見ながら。
月日が流れるにつれ、皮肉なことに我々合獣の民は様々な種族との交配によって血が薄れて行った。
同族だけで生き延びるには限界があったんでしょうね。
それでも一族としての誇りとプライドは、子子孫孫まで語り継がれた。
私もその一人。