王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

まさか貴方のような子供とは思いませんでしたが、ここまでの旅路を見る限りかなりの実力者ということは分かりましたよ。


私、ずーと貴方方の動向を見守っていたんですよ?


遠くの方からずっと。坊やが討伐隊から離れ、ドラゴンモドキに襲われている時もね。


本当はその時にでも接触しようかと思ったのですが、折角幻龍を手名付けたのですから、人とドラゴンの壮絶な戦いを見てみたいじゃないですか。


あれはなかなか楽しませてもらいました。


ドラゴンの中でも異質な術を持った幻龍。


ドラゴンさえ簡単に殺してしまう能力をもった幻龍にどう対抗するのか、まるで童心に還ったかのようにワクワクしてしまいました。


隻腕であれほどの術を発動させるとは、さすが氷眼の民の代表と関心したものです。


私の知る限りの知識で考えたのですが、あの術は封印術の一種ですね。


魔力を極限に込めた自分の血液を敵の体内に取り入れさせることにより、内側から氷結魔法を行使する。という仕組みでしょうか?


ピンチをチャンスにとはまさにあのことを言うのだと痛感させられましたよ。よくぞあの状況を引っ繰り返したものだ。
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